宅建業法

宅建業とは

免許が不要な人

  1. 国や地方公共団体が行う取引
  2. 信託業法の免許を得た信託会社

宅建業免許

宅建業免許
有効期間 5年
更新の申請 90日前から30日前まで
免許換え
  • 国土交通大臣→都道府県知事
  • A都道府県→B都道府県
  • 都道府県知事→国土交通大臣

※免許換えを行うと従前の免許は効力を失う

返納義務 新しい免許を受けたら古い免許を返納する義務

免許の届出と失効

宅建業免許の届出と失効
届出義務者 届出期間 免許失効時期
死亡 相続人 死亡を知った日から30日以内 死亡時
合併で消滅 消滅法人の代表 合併から30日以内 消滅時
破産手続き 破産管財人 破産から30日以内 届出時
法人解散 清算人 解散から30日以内 届出時

宅建士証

  1. 宅建士の登録
  2. 宅建士試験の合格者が合格地の都道府県知事へ申請
    【条件】
    ①欠格事由に当たらない
    ②2年以上の実務経験または登録実務講習を受けている

  3. 宅建士証の交付
  4. 宅建士の登録者が登録地の都道府県知事へ申請
    【条件】
    合格後1年以上なら法定講習の受講が必要

変更の登録の義務

下記の登録事項に変更があったときは登録地の都道府県知事へ変更の登録をしなければならない

  1. 氏名・住所・本籍
  2. 宅建業者の商号または名称
  3. 免許証番号
事務が出来なくなった時の届出
義務者 届出期間
死亡 相続人 知った日から
30日以内
心身の故障 本人・代理人
同居の親族
生じた日から
30日以内
破産 本人 生じた日から
30日以内

営業保証金

業務開始までの流れ

  1. 免許取得
  2. 供託
  3. 届出
  4. 業務開始

営業保証金の供託

営業保証金の供託
場所 本店の最寄りの供託所
金額 本店:1,000万円
支店:500万円
種類 金銭・有価証券
併用も可

保管換え

営業保証金の保管換え
金銭のみ ○できる
金銭+有価証券 ×できない
有価証券のみ ×できない
還付と追加
還付権者 宅建業者と宅建業について取引した宅建業者以外の者
還付額 供託されている営業保証金の範囲
営業保証金の追加の時期 通知を受けてから2週間以内
追加供託の届出 追加供託から2週間以内
追加供託の届出先 免許権者

営業保証金の取戻し

営業保証金の取戻し
公告が必要 6か月以上の期間を定めて公告

  1. 免許の有効期間が満了
  2. 廃業・破産等の届出で免許が失効
  3. 免許取り消し処分を受けた
  4. 一部の事務所を廃止した
公告が不要
  1. 最寄りの供託所が変わった
  2. 保証協会の社員になった

事務所・案内所

事務所とは不動産屋の店舗、案内所はモデルルームなどのイメージ

事務所・案内所の5点セット

事務所・案内所の5点セット
事務所 案内所
報酬額の掲示 ○必要 ×不要
帳簿 ○必要 ×不要
従業員名簿 ○必要 ×不要
専任の宅建士 5人に1人 【申込みあり】1人以上
【申込みなし】不要
標識 ○必要 ○必要

事務所と帳簿

帳簿
備える場所 各事務所
閉鎖日 各事業年度の末日
保存義務期間 5年間
自ら売主の新築10年間
記載内容例
  • 代理・媒介の別
  • 相手方
  • 取引に関与した業者名
  • 現況地目・位置・形状など
  • 売買額・交換差金・賃料
  • 報酬額
PCデータ代替 紙面印刷が可能なら可
取引関係者殻の請求 見せなくて良い

従業員名簿

従業員名簿
備える場所 各事務所
記載内容例 従業者の氏名・証明書番号など
退職者の記載 従業者でなくなった年月日
保存義務期間 最終記載から少なくとも10年間
取引関係者殻の請求 見せないとダメ

媒介契約

媒介契約の種類
有効期間 報告間隔 登録まで
一般 なし なし なし
専任 3か月 2週に1回 7営業日
専属専任 3か月 1週に1回 5営業日

媒介契約のポイント

媒介契約のポイント
根拠の明示 媒介価格に意見するには根拠が必要
口頭でも書面でも可
登録書面の引き渡し レインズへ物件の登録後、登録書面を遅滞なく引き渡し
申込みの報告義務 物件へ申し込みがあった場合は依頼者へ報告

媒介契約書(34条書面)

  1. 宅地建物を特定するのに必要な表示
  2. 売買すべき価額または評価額
  3. 一般・専任・専属専任の別
  4. 報酬に関する事項
  5. 有効期間
  6. 解除に関する事項
  7. 契約違反の場合の措置
  8. 標準契約約款に基づくか否か
  9. 指定流通機構への登録に関する事項
  10. 建物状況調査実施者のあっせんに関する事項

担保責任

民法のルール

担保責任・民法のルール
目的物が契約内容に適合していない場合
  • 追完請求
  • 代金減額請求
  • 損害賠償請求
  • 契約解除
責任追及の期間 不適合を知ったときから1年以内に通知
担保責任・宅建業法のルール
大前提 買主に不利な特約は無効
可能な特約 引き渡しの日から2年以上
特約が無効な場合 民法の不適合を知ったときから1年以内に通知が適用

損害賠償について

損害賠償のルール
予定する場合 損害賠償額と違約金の合計が2/10を超えてはならない
※2/10を超えた分は超えた部分が無効
予定しない場合 実際生じた損害額を請求可能
※場合によっては裁判などで証明する必要もある

手付金あれこれ

手付金の制限

手付金あれこれ
手付の性質 宅建業法では常に解約手付
手付額の制限 代金の2/10以下
超過分 2/10を超えた分は無効

手付金等の保全措置

手付金等とは手付金と中間金のこと

手付金等の保全措置
完成物件 未完成物件
保全方法 ・保証
・保証保険
保管
・保証
・保証保険
不要の例外 10%以下かつ
1000万円以下
5%以下かつ
1000万円以下

クーリングオフ

できない場所

  1. 宅建業者の事務所
  2. 土地に定着した専任の宅建士を置くべき場所
  3. 売主が依頼した媒介業者の①または②
  4. 買主が自ら申し出た自宅・勤務先

クーリングオフのもろもろ

クーリングオフのもろもろ
告知方法 書面
書面以外ならいつでも解約可能
期間 権利を告げられた日から起算して8日以内
履行の完了 引き渡し完了かつ代金の全額支払い完了

書面に書くこと

  1. 買主の氏名および住所
  2. 売主の商号または名称および住所・免許証番号
  3. 書面によりクーリングオフを行うことができること
  4. 損害賠償請求等の禁止
  5. クーリングオフがなされた場合に宅建業者が違約金や損害賠償の請求をすることは禁止です。

  6. 効力の発生時期
  7. 手付金等の返還
  8. クーリングオフがなされると契約は白紙になりますので、売主は買主が支払った手付金や契約金などすべての金銭を速やかに返還しなければいけません。

35条書面(重要事項説明書)の記載事項

土地・建物共通の記載事項

土地・建物共通の記載事項
取引内容 売買 賃借
代金以外に授受される金銭
預り金の保全措置の概要※
登記された権利の種類・内容
津波災害警戒区域※
水害ハザードマップの表示※
供託所等の説明※
保証保険契約 ×
清算する金銭 ×
私道負担
法令上の制限

※土地・建物共通の記載事項の補足

土地・建物共通の記載事項の補足
預り金の保全措置の概要 講じるか講じないかを記載
額が50万円未満の場合は支払金・預り金ではないので、そもそも記載は不要
津波災害警戒区域 土地・建物が津波災害警戒区域内であるときはその旨を記載が必要
水害ハザードマップの表示 水害ハザードマップ上に土地建物が表示されている場合、その位置も記載事項
供託所等の説明 重要事項説明書に記載して説明することが望ましい

建物のみの記載事項

建物のみの記載事項
取引内容 売買 賃借
石綿の使用の有無の調査結果※
耐震診断※
台所等の整備状況 ×
[既]建物状況調査※
[既]維持保全状況 ×
[新]住宅性能評価※ ×
[区]専用部分の制限
[区]維持修繕積立金※ ×

※建物のみの記載事項の補足

建物のみの記載事項の補足
石綿の使用の有無の調査結果 石綿の使用の有無の調査結果の内容を説明
自ら調査しなくてもよい
建物状況調査 建物状況調査の有無とその内容を説明
建物状況調査は実施後1年を超えないものに限定
住宅性能評価 住宅性能評価を受けているかどうかを記載
維持修繕積立金 維持修繕積立金の規約があるときはその内容とすでに積み立てられた額を説明
賃借では不要

土地のみの記載事項

土地のみの記載事項
取引内容 売買 賃借
急傾斜地崩壊危険区域
建物の取り壊し ×

37条書面の必要的記載事項

下記の必要的記載事項はすべて35条書面では不要の事項です。

  1. 当事者の氏名・住所
  2. 宅地建物を特定するのに必要な表示
  3. [既]建物の構造力上主要な部分等の状況について当事者双方で確認した事項
  4. 代金・借賃・交換差金の額
  5. 支払い時期・方法
  6. 宅地建物の引き渡し時期
  7. 移転登記の申請時期

任意的記載事項

下記の任意的記載事項は当事者同士で話し合い、特約を定めた場合に記載する項目です。
定めがなければ記載不要です。

建物のみの記載事項
任意的記載事項 売買 貸借
代金以外に授受される金銭額・時期・目的
契約解除の内容
損害賠償額の予定・違約金
天災その他不可抗力の定め
租税公課の負担 ×
担保責任の内容・保証保険契約 ×
ローンのあっせんと不成立の時の措置 ×

売買・交換での報酬規制

報酬額の速算表
税引き代金 報酬割合
200万円以下 5%
200~400万円以下 4%+2万円
400万円以上 3%+6万円

売買・交換での報酬規制のポイント

建物のみの記載事項の補足
土地に消費税は 掛からない
媒介と代理の報酬上限 媒介報酬基本額が上限、代理報酬基本額の2倍が上限
1つの取引に複数社が関わった場合 1社が契約したときの報酬限度額と変わらない
低廉な空き家等の例外 税抜800万円までの宅地建物なら、報酬限度額は33万円(税別)

住宅瑕疵担保履行法

住宅販売瑕疵担保責任保険

住宅販売瑕疵担保責任保険の契約に必要な要件

  1. 保険料の支払いを売主である宅建業者が行う
  2. 保険金額が2000万円以上である
  3. 新築住宅引き渡し後の有効期間が10年以上である
  4. 国土交通大臣の承認なしに変更・解除できない

住宅販売瑕疵担保保証金の供託

住宅販売瑕疵担保保証金の供託
供託期間 基準日3/31から3週間を経過するまで
供託額 基準日前10年間に引き渡した新築住宅の合計戸数による
床面積が55㎡以下なら55㎡以下の住宅2戸を1戸とする
基準額を超えたとき 免許権者の承認を得て、超過額を取り戻せる
供託所の所在地の説明 買主に対して売買契約が成立するまでに供託所の所在地を書面または電磁的記録で説明する

資力確保措置の届出義務

資力確保措置の届出義務
届出期間 基準日3/31から3週間以内
届出先 免許権者
届出しなかった場合 基準日の翌日から50日を経過した日以降は新築住宅の売買契約が出来ない