不動産の権利関係が分かる!
例えばあなたが家や土地などの不動産を買ったり、担保にとって抵当権を設定する場合などに、「口では自分の土地って言っているけど、本当にこの人の土地なのかなぁ」と不安になると思います。
そんな時は法務局にある登記情報を確認すれば、真の所有者や他人の権利・義務などの有無を確認できます。
この"登記情報"は登記簿に記載されており、誰でも閲覧することができます。
またすでに不動産を所有している人は自身の権利を登記することにより、第三者に対して自分の権利を主張することができるのです。
というわけでまず「不動産登記」の役割とは円滑な取引を可能にするものまた第三者に自身の権利を主張できるものだと覚えておきましょう!
不動産登記での「不動産」とは?
不動産登記においての「不動産」とは土地・建物のことを指し、それぞれ別々の登記がなされます。
つまり新築の一戸建てを購入した場合は、土地と建物とが別々の登記になるわけです。
土地の登記について
登記の際の土地の単位は「筆」です。
一つの土地のことを「一筆の土地」と言い、一筆の土地に対して1つの登記記録が作られます。
登記上と現実の筆
あくまでも登記上の土地の単位が「筆」であるので、必ずしも住居表示と一致しないことがよくあります。
たとえば「29-1」という地番に複数の建物が建っていて住居表示が「5-1」「5-2」「5-3」の3つに分けられていたり、逆に複数の筆の上に1つの建物が建っていることもありますので、覚えておきましょう!
建物の登記について
建物については1つの建物につき1つの登記記録が作られますが、庭にある物置といった不動産(建物)でないものは登記の対象から外れます。
なお母屋に対する離れなど、主要な建物と同じ所有者が・同じ目的で同じ土地上に建てている付属建物は主要な建物とまとめて同じ登記記録に記録されます。
区分建物の登記について
分譲マンションのように1つの建物を複数の人が区画を分けて所有する場合は、その区画ごとに所有者が登記することができます。
登記の3つの効力とは
わざわざ時間とお金を使って登記をするわけですが、登記をすることにより得られる効力もあります。
登記をすることにより得られる3つの効力を紹介します。
- 対抗力
元の所有者が別々の人に二重譲渡してしまったとしても、先に登記さえしておけば支払いや引き渡しに関係なく「この土地は私のものですよ!」と権利を主張することができます。
- 権利推定力
登記簿に「A所有」と書いてあった場合、実際の所有者がBさんであったとしても、Aさんに所有権があるものと推定されます。
ただしあくまでも"推定力"なので、登記された内容と実際が異なっていてトラブルが起こったとしても、誰も保証してくれません!
- 形式的確定力
不動産登記における形式的確定力とは、正しいか誤っているかにかかわらず、すでに登記が存在する以上、これを無視して新たな登記をすることができないという効力です。
つまり「ここに書いてある権利はとっくに無効になっているから、私の登記に書き換えてよ!」ということはできず、この場合は先に無効な登記の抹消等をしなければ新たな登記はできません。
登記できる権利・できない権利
不動産に関わる様々な権利の中にはそもそも登記できない権利があります。
また登記しておかないと第三者に自身の権利を主張できない権利もありますので、まとめてみました。
登記できる権利・できない権利
|
登記 |
対抗力 |
| 所有権 |
○ |
○ |
| 地上権 |
○ |
○ |
| 永小作権 |
○ |
○ |
| 地役権 |
○ |
○ |
| 賃借権 |
○ |
× |
| 砕石権 |
○ |
○ |
| 抵当権 |
○ |
○ |
| 質権 |
○ |
○ |
| 先取特権 |
○ |
○ |
| 留置権 |
× |
× |
| 占有権 |
× |
× |
| 買戻権 |
○ |
× |
表示と権利、2種類の登記
さて登記記録を見てみると大きく2種類の登記が目に入ってくると思います。
まず一番上に記録されているのが「表示に関する登記」です。
表示に関する登記とは、モノが対象で権利の目的となる不動産を特定します。
次に記録されているのが「権利に関する登記」でその不動産上に存在するヒトの権利情報が記録されています。
つまり登記記録の順番通り、「表示に関する登記」で不動産を特定しなければ、「権利に関する登記」で権利の登記はできないことになります。
(注1)相続登記・住所変更登記などは義務
(注2)分筆・合筆の登記は登録免許税が必要
任意だから…
上の表に記載している通り、表示に関する登記は義務ですが、権利に関する登記は任意です。
住宅ローンを組むなど融資が必要な場合は、お金を掛けてでも権利に関する登記をせざるを得ませんが、「別に融資もいらないし自分で建てちゃいました」という方にとってはわざわざ登録免許税を払ってまで権利に関する登記をする必要がありません。
なので表示に関する登記は存在するけど、権利に関する登記は存在しない不動産も多くあります。